そもそも始まりは・・執筆編集講座その1

2007年に団塊世代の大量退職の問題が取りざたされたとき、上田情報ライブラリー職員と雑談しているなかで「2007年問題に対して図書館でも何か支援ができないだろうか」という話題が出ました。
いろいろと話すうちに、「長年してきた仕事の記録を書いていただくのはどうだろう、書いた方の人生のまとめにもなるし、それを図書館で貸出すれば団塊世代の経験を地域へ伝えることができてひとつのビジネス支援にもなりそう!」というアイデアが出たのです。ところが、このアイデアを具体化しようとしはじめた折もおり、この図書館職員は転出してしまいました。
せっかくのアイデアですから何とか実現したいものだと考えましたが、執筆や編集や製本などまったくやったことのない私には、何をどう計画してよいのか見当もつきませんでした。そこで 上田市のタウン誌「週間上田」の編集長である深町さんに相談してみることにしました。
週刊上田の編集室へ出かけて行き、主旨を伝えてお力を貸していただきたいとお願いしました。ちょうどその場に作家の金子さんもいらして、「面白いかもしれないよ、まったくの素人の市民が自分の言葉で書いて、それを図書館に残すというのは。」と助言してくださり、なにはともあれやってみようということになりました。こうして手探りでの計画が始まったのです。
「書くことについての講演が必要だね、執筆経験者の話を入れたらどうだろう、初めて書く人に何を書くかどのように書くかを教えるにはどうしたらいいのだろう、どうやって参加者を募集するの? どんな体裁のものにするの? 入力はどうするの? 製本はどうするの? そもそも費用はどうするの?・・・・・」戸惑うことばかりでしたが、深町さんと相談しながら、10回程度の講座を1年間かけて計画するという基本が出来ていきました。

折りしも、文部科学省で「平成19年度地域の図書館サービス充実支援事業」という委託事業の募集をしていることを知り、「団塊世代の仕事録」と銘打って、この事業計画で応募したところ採択され、70万円余の委託費を受けることができるようになりました。事業費の充てができればしめたものです。

深町さんや図書館倶楽部の人たちの人脈により、元毎日新聞社ロンドン支局長 黒岩徹氏と 信濃毎日新聞社出版部次長 斎藤隆氏の講演、家庭菜園・農業経営アドバイザー 山宮君夫氏 の執筆体験発表をお願いすることが決まりました。そこに、深町さん、金子さんが具体的な書き方の指導をしてくださり、図書館倶楽部情報サービス部会でWORDによる入力や編集の指導をするという具体的な計画が出来上がりました。

参加者募集は上田市広報のほかマスコミに流したり、商工会議所の会報へ掲載していただいたり、あるいは知り合いのツテを頼ったり、考え付くあらゆる方法でやってみました。
そして2007年8月3日、いよいよ第1回の講座がスタートしました。この詳細はその2へ続きます。