そもそも始まりは・・執筆編集講座その2

その1からの続きです。
講師陣からは「とにかくまず書いてみること」というアドバイス
「何を書くのか、テーマを考えましょう。思いついたことをいくつでもアトランダムに箇条書きにして、書きやすいところ、書きたいところから書き始めましょうね。最初から順序良く書こうとすると書けません。特に○○年に△△で生まれ・・・と書き始めてしまうと続かなくなりますよ、一番書きたい項目から書いてみることが大事です。」とのお話。

不安そうな参加者の皆さんに対して、講師陣の励ましの言葉が続きます。「自分の人生を書けば、誰でも1冊はかけるのですよ。」「最初の読者は私たち編集者にしましょうね、奥さんやだんなさんに読んでもらうことはしないように。それをするとたいていは、『なによ、こんなこと書いて』とけなされるのがオチ、書く意欲がなくなってしまいます。とにかく書きたいことを思いつくままに書いてきてくだされば、私たちが『ここは面白いから膨らませましょう、ここはちょっとわかりにくいからもう少し説明を加えましょう、この表現はこのように変えたほうがインパクトが強いかもしれませんよ』という具合にアドバイスします。上手に書こうなんて思わなくても良いのですよ。」

こうして執筆が始まりました。参加された皆さんはそれぞれ自宅で執筆、講座の日に原稿を持ってきて講師と個別相談です。ひとりひとりジックリと時間をかけてアドバイスする講師陣。なかには 次の講座まで待てずに途中で講師の自宅へ原稿を郵送して見ていただく参加者もありました。ご自分でWord入力できない方の原稿はスタッフが入力しました。
講師陣のアドバイスは「読んで興味を持ってもらうにはどのように書いたらよいか」から「てにおは」の直しに至るまで、懇切丁寧、細部に及びました。

原稿が出来上がるとWordでの編集です。これは情報サービス部会員が担当、ページ設定、段組、写真や画像のスキャン、挿入と一人ずつ対応しました。100ページの原稿が出来上がると製本キットで製本。これでようやく出来上がりです。3月にはそれぞれ書いた内容を発表して講師の講評をいただきました。
執筆を終えた参加者の皆さんからは次のような喜びの声がありました。
「子どもに一冊,娘には嫁ぐ日に,息子達は自立する日に渡すつもりです。」
「次はもっと準備をして別の面で書いてみたいと思います。読書をたくさんして,知識を豊富にしたいと思った。執筆にはそれが大事だと知ったからです。」
「終わったことで自分自身ひとつ区切りができたと思っています。」

4月からは上田情報ライブラリーの専用コーナーで開架、貸し出しが始まりました。

講座は、団塊世代よりももう少し高齢の皆さんの参加が多くあり、人生のまとめ、研究のまとめという色合いが濃いものになりました。その意味では当初考えた2007年問題への対応という面が少し薄まったと思います。

でも、図書館で「書く」ための支援をしてみて、気付いたことが多々ありました。書くための資料を用意するのは図書館の得意技でしたし、図書館資料として貸出をすることで、市民の記録が地域と将来へ伝わる仕掛けを作ることができたと思います。