梅野記念絵画館

 1月15日、第9回繭ホールサロントークを開きました。
今回のゲストは、東御市にあります梅野記念絵画館・ふれあい館の
佐藤修館長と佐藤雅子副館長です。
『梅野記念絵画館よもやま話』と題して、開館までのいきさつや特徴、
エピソードなどを語っていただきました。
 浅間連峰を一望する芸術むら公園に建つ梅野記念絵画館は、
初代館長梅野 隆さんとその父満雄さんの親子二代にわたるコレクションの寄贈を基に、
1998年に開館しました。
コレクションは、才ありながら不遇のまま逝った画家たちの作品がほとんどで、
430点にも及びました。梅野満雄さんが献身的に支えた明治の天才画家、
青木 繁や、隆さんがほれ込んで60年にもわたって収集し続けた菅野圭介などです。
 そして、これら多くの所蔵品を生かしたさまざまな展覧会を開いています。
2009年までに『犬塚 勉展』を4回、2010年夏には『水上 勉の文学と画家たち』、
同年秋からは『菅野圭介、色彩は夢を見よ』が1月末まで開かれています。
色数を抑え、単純化された菅野圭介の絵は印象的で、多くの来館者が訪れています。
 この菅野圭介展にちなんだエピソードも披露されました。
子供の頃に美術雑誌で菅野圭介の絵に出会って強い感銘を受け、
以来想いこがれていた男性が、今回の展覧会で60年ぶりに
実物を鑑賞することができたそうです。
 「このように、絵画館は人と人を結びつけるふれあい館でもあります。
いろいろな種類の絵があります。画家の個性も多様です。
絵を見るということは画家とふれあうと同時に、自分の感性に気づくことでもあります
」という佐藤館長の言葉は聴く人の心に静かに染み込んでいくようでした。